社会福祉法人 悠久会のSDGs宣言
社会福祉法人悠久会は、創設当初より「まちなか」で福祉事業を展開してきたことから、福祉課題と社会課題の双方に向き合ってきました。そもそも、地域が持続不能な状態に陥ってしまうと福祉サービスの継続及び推進も困難となります。
持続可能な、まちづくりを目指すことは良質な地域福祉サービスを提供するための前提条件であると考えます。また、「誰一人取り残さない」社会の実現を目指すSDGsと「地域共生社会」を目指す福祉は親和性が高く、福祉とSDGsを同時に推進することが福祉のまちづくりにつながるものだと確信しています。
「福祉を取り巻く環境としてまちづくりがある。」我々は福祉とまちづくり、双方を推進することを目指しSDGsに取り組むことを宣言いたします。
SDGs(持続可能な開発目標)とは?
SDGs(エスディージーズ)「持続可能な開発目標」とは、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で決められた、国際社会共通の目標です。この目標は、貧困や飢餓、経済成長、気候変動といった国際社会が抱える地球規模の課題を解決するために一人ひとりが自分事と考えアクションを起こしていく必要があります。
私たち悠久会が多数の福祉事業所を運営している長崎県島原においても、経済の低迷、人口減少、海洋汚染などをはじめ、様々な問題を抱えています。
社会福祉法人 悠久会では、法人事業計画の中長期計画にSDGsの概念を組み込みました。
社会福祉法人 悠久会のSDGs達成への取り組み方針
未来志向で福祉ビジョンを描く
多様かつ複雑な福祉課題に対応するべく、積極的にアウトリーチを行いニーズを収集し、分野横断的な福祉ニーズに対応できる体制を目指します。ミクロ-メゾ-マクロと全領域を視野に入れた持続可能な福祉のまちづくりを実現するべく未来志向で福祉ビジョンを描き実行します。
社会福祉法人の社会資源を活用した福祉課題・介護課題及び社会課題の同時解決
「経済」「社会」「環境」のバランスの取れた発展を目指し、福祉課題のみならず、まちを取り巻く社会課題にも積極的に取り組み、持続可能なまちづくりに貢献します。社会福祉法人が有する潜在能力を発揮し、各事業を実施する上でSDGsに関連する「食」「エネルギー」「雇用」「資源の活用」
「環境への配慮」「福祉」「生活介護」等の影響力が大きい分野の解決に積極的に取り組みます。
「六方よし」を実現できる地方創生時代に貢献できる地域経済循環 ~障害者の就労継続支援をはじめ、雇用、働きがいや社会接点の創出~
地域の企業等とパートナーシップを構築し、地域経済活性化(地域経済の好循環・地産地消の推進)が実現できる就労支援事業を展開し、地方創生へ貢献します。就労支援事業の実施においては「持続可能な生産と消費」を考慮し、加えて生産性及び付加価値の向上、個人の職業能力向上。そして働きがいを両立したディーセントワークの実現を目指します。これらに取り組むことで「買い手、売り手、世間、作り手、地球、未来」の六方よしの就労支援事業を実現します。
福祉分野及び全ステークホルダーとのパートナーシップ構築
複雑かつ多様な福祉ニーズに対し、地域内の法人や関係機関等と連携し解決できる体制及び重層的セーフティーネットを構築し地域の福祉力を向上させます。また持続可能な地域の実現に向けて、福祉分野以外のステークホルダーとも積極的な連携を行い、サプライチェーン全域をカバーするパートナーシップの構築を目指します。
持続可能性を高めた経営の実現
将来を見据えた人材育成(多様な人材活用・女性活躍推進も含む)及び人材確保(新卒・湧水ブランディング等を活かした移住者及び関係人口の確保)、及び人材定着(健康経営・法人内エンゲージメント向上等)サービスの質の向上に継続的に取り組める組織体制や仕組みの導入。大規模修繕計画に基づいた、安心安全かつ強靭さ(レジリエント)を備えた持続可能なハードの整備及び、ソフト面(人材・仕組み・サービス面)のレジリエンスを高めます。法人の持続可能性を高め100年先も続く安定した経営の礎を構築します。
変化に適応できる組織レジリエンスを高めた持続可能な組織の実現
持続可能なまち及び福祉を実現するため、事業推進をマネジメントできる本部機能及び組織機能の強化を行います。また高度情報社会への適応を行うために法人内の情報インフラを整備し、生産性の向上及び法人内コミュニケーションの活発化を実現するとともに、法人内資産(物的・人的・情報及びノウハウ)のシェア及び活用に努めます。そして、DX・AIやIoT、モビリティ等を活用した生産性向上及び職員の負担軽減(身体的負荷の軽減、見守り体制の充実)の実現を目指します。さらに脱炭素を推進するべく環境負荷がかからない事業運営の在り方を模索します。
社会にインパクトを与える社会福祉法人を目指して
積極的に内外に情報発信を行い、法人の透明性を高めるとともに、福祉や地域の魅力を広く社会に伝え、世の人々に社会課題を認識してもらうことで、市民及び当事者の福祉に対する参画意識の醸成につなげます(法人内外のコミュニケーション活発化及びパートナーシップ構築)そして、社会福祉法人や福祉職業人の地位の向上に寄与できるような高度な専門性に基づく実践事例の発信を積極的に行い、福祉職業人の思いを世に伝え、社会の共感を得ることを目指します。
福祉×SDGs×まちづくり
社会福祉法人 悠久会のSDGsへの取り組み・目標を紹介した冊子を発行しました
福祉面のアプローチだけではなく、全世界の共通課題であるSDGsの視点と、まちづくりの視点を取り入れた「福祉×SDGs×まちづくり」。
この冊子では、持続可能な地域福祉の実現のために悠久会が取り組みたいこと、課題解決のために私たちがこれまで行ってきた取り組み事例を分かりやすく解説しております。
社会福祉法人 悠久会が取組むSDGs目標
SDGs目標1:貧困をなくそう
生活困窮者への救いの手 生計困難者レスキュー事業
社会貢献活動として、生計困難者への心理的不安の軽減や公的な制度やサービス等への橋渡しを行うことを目的として、生計困難者に対する相談・支援事業を実施しています。
SDGs目標2:飢餓をゼロに
安心安全でバランスの取れた食事の提供
社会福祉法人悠久会では地産地消の推進や栄養士による栄養バランスの取れた食事の提供等を行っています。地産地消にはサプライチェーンの近接化(地元生産者とのつながりの強化)により食の安全安心を高めることが期待できます。
SDGs目標3:すべての人に健康と福祉を
Well-being(ウェルビーイング)の向上
社会福祉法人悠久会では「豊かさ」の再定義として経済的豊かさのみを指標とせず、心身の幸福度の向上を目指し、多面的に生活の豊かさが計測可能な「よりよい暮らしの指標(BLI:Better Life Index)」による指標等を参考にしています。特に「社会的つながり」を増やす取り組みを行うことで社会関係資本(ソーシャルキャピタル)が豊かとなり「心と心が通い合う」精神的満足度の高い地域社会の実現に貢献いたします。
住み慣れた地域(まちなか)での福祉サービスの提供
社会福祉法人悠久会では島原駅から徒歩5分圏内と生活に便利なエリアに複数の居住施設(グループホーム及び入所施設)を整備しています。「まちなか」にて福祉サービスを提供することで地域住民が福祉サービスへの気軽にアクセスできます。悠久会が取り組む様々な地域活性化事業及び、まちづくり活動は「ひらかれた福祉」として地域住民との接点を増やすことで福祉を身近に感じていただくことができます。
SDGs目標4:質の高い教育をみんなに
子どもの特性に応じた療育支援の実践
社会福祉法人 悠久会では、自閉症等の発達障害のある子ども達の特性を考慮した学習支援等を行っています。長所を伸ばし、苦手なことに寄り添い、社会の中で安心して過ごせる生活の力を高めるための支援を行っています。
SDGs目標5:ジェンダー平等を実現しよう
女性の活躍推進に取り組んでいます
社会福祉法人 悠久会では、女性社員の育成と管理職に占める女性割合を25%以上することを目標とした女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を定めました。今期の目標として女性職員向けキャリアデザイン研修等を計画しています。
※計画期間:令和6年4月1日~令和9年3月31日まで
SDGs目標6:安全な水とトイレを世界中に
障害者支援施設 若菜寮 湧水を地域の交流の場に
社会福祉法人 悠久会 若菜寮の施設玄関前に湧水・池を設置し地域の皆様の交流の場として開放しています。島原は、市内各所で湧き水が見られる湧水群で知られ、古くから水の都と呼ばれています。
SDGs目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
太陽光発電システムを導入し施設消費電力に活用
気候変動に対する取り組みとして、私たち社会福祉法⼈ 悠久会では銀の星学園に太陽光発電システムを2013年4⽉に導⼊いたしました。現在、売電は⾏っておらず発電された電⼒については法⼈内で消費しています。
SDGs目標8:働きがいも経済成長も
障害者の就労継続支援をはじめ、雇用、働き甲斐や社会接点の創出
障害者の方々の「働く」を支援する事業を展開。施設の給食調理業務、最新機器を取り入れた木工製品の製造やカフェの店舗運営など就労継続支援A型B型の事業を多数運営し地域に暮らす多くの障害者の方に利用いただいております。
健康経営推進企業に認定 職員が健康的に働ける環境を整えます
全国健康保険協会 長崎支部より職員の健康維持に取り組む企業として「健康経営推進企業」認定証を交付されました。持続可能なまち、持続可能な福祉を目指し、私たちの事業を通して地域に貢献するために、今後もより一層、職員全員が健康的に働ける環境を整えてまいります。
SDGs目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
Fabによるデジタルとモノづくりの融合 ~ソーシャルネットワーク型ものづくりへの取り組み~
社会福祉法人悠久会のきらり作業所ではFab事業に取り組んでいます。Fab(ファブ)とは「デジタルデータをもとに創造物を制作する技術」であり、悠久会ではデジタルデータをレーザーカッターや3Dウッドターニングマシン等によるモノづくり事業を行っており、小ロットで柔軟性の高い運用が可能です。また、特定の工場からの輸送を必要とせず、モノづくりの地産地消とも呼ばれています。SDGs及びsociety5.0とも親和性の高い事業です。
SDGs目標10:人や国の不平等をなくそう
ダイバーシティ経営の実践
社会福祉法人悠久会では、障がい者の就労支援事業の実践ノウハウに基づくダイバーシティ経営への取り組みを推進しています。多種多様な障がいを持った方の能力を最大限引き出し、誰もが活き活きと働ける環境を目指しています。(悠久会は障がい者雇用の優良企業に対する認定制度「もにす」の認定を受けることができました。)
SDGs目標11:住み続けられるまちづくりを
社会福祉法人が取り組むまちづくり
社会福祉法人悠久会では地域共生社会の実現に向けて「福祉とまちづくり」をテーマに事業活動を行っています。SDGsの17の目標は社会課題及び福祉課題を同時解決する「まちづくり」に欠かせない視点を包括しているため、悠久会はSDGsを推進することで地域活性化及び、まちづくりへの貢献を行っています。
「住み続けられるまちづくりを」|長崎・島原での取り組みと事例
SDGs目標11は「包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」を表現されています。社会福祉法人 悠久会では「安心・安全」「包摂性・持続性」に着目し、安心して暮らせる福祉のまちづくりとして、自然災害に強いハード面の整備、アクセスが便利かつ快適な居住環境、包摂的な経済活動(ディーセントワーク)の実践に取り組んでいます。
SDGs目標12:つくる責任 つかう責任
給食調理で出た生ごみを堆肥に変える取り組み
当法人の施設利用者に食事を提供した際に出る生ごみを極力無くしたいと考え、業務用生ごみ処理機(バイオクリーン)を導入。処理機により、1日当たり15Kgの生ごみを堆肥として再利用することができます。
プラスチック削減 お弁当を紙製のパッケージに変更
就労継続支援事業所「おむすびカフェ 島原むすびす」では、お弁当のパッケージをプラスチック製から紙製に変更。また、店舗で使用するストローは、トウモロコシを主原料とした地球環境にやさしい素材のものを使用しています。
島原の特産物を活かした商品開発
就労継続支援事業所「おむすびカフェ 島原むすびす」では、島原地域おこし協力隊と協働開発した、島原半島の食材を活用した「火山弁当」(第13回九州駅弁グランプリにて優秀賞)や山の上カフェGardenでは島原サフランを使用したクラフトコーラ等の地域の食材を活かした商品開発を行っています。
SDGs目標13:気候変動に具体的な対策を
気候変動及び自然災害に対する強靭性(レジリエンス)の向上
~BCP対策への取り組み~
社会福祉法人 悠久会 銀の星学園では、BCP対策(事業継続計画)として蓄電池を導入いたしました。太陽光発電システムとの併用により、電力の効率的な運用と自然災害時の際に72時間以上の電力供給が可能となります。
SDGs目標14:海の豊かさを守ろう
海ごみゼロ 悠久会猛島海岸地域清掃活動
社会福祉法人 悠久会では、日頃から障害者の方々と一緒に地域の清掃活動に取り組んでいます。この活動は、地域住民の方々との良い交流の機会となればと始まった活動です。一人でも多くの方が海のゴミ問題に関心をもち、綺麗な海となっていくことを私たちは願っています。
SDGs目標15:陸の豊かさを守ろう
長崎県産物100%の地産地消のメニューの提供開始
社会福祉法人 悠久会では、地産地消の推進として地元産食材の積極活用を行っています。SDGsへの貢献として食材の輸送距離が減ること(フードマイレージの削減)によるCO2排出量の削減効果等があります。さらに、地域経済が循環することにより地域活性化にもつながり、まちの持続可能性を高める効果もあります。
SDGs目標16:平和と公正をすべての人に
利用者の権利擁護のためのガイドライン制定
社会福祉法人 悠久会では、障害者虐待防止法の遵守と独自に制定した手帳サイズの小冊子「YELL~悠久会職員行動指針~」を職員に配布し日々の業務の振り返りや初任者への育成に活用する等の権利擁護推進に努めています。
SDGs目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
「みんなのフェス」~境目のないアートと音楽を感じて~
社会福祉法人悠久会では障害者文化芸術活動の推進を行っています。障害者アートイベント「みんなのフェス」では、障がいがある人もない人も共にアートを楽しむことをコンセプトに山の上カフェGardenの森スペースを活用し、アート作品の展示やマルシェ、音楽イベントを開催いたしました。悠久会だけではなく、多数の島原半島内の福祉事業所とパートナーシップを組んで開催いたしました。
「福祉×デジタルマーケティング」~福祉の魅力を発信~
社会福祉法人悠久会では株式会社LANYよりプロボノ支援を受け、デジタルマーケティングを推進しています。ネガティブなイメージを持たれがちな福祉業界。福祉のやりがいや魅力をデジタルマーケティングの力を活かして様々なステークホルダーに届けることで福祉のイメージアップを目指しています。
BYE BYE Plastic!プロジェクト
NPO法人 蒼ノ扉と協働でエコプロジェクトに取り組んでいます。障害者向けのアートワークショップの開催をはじめ、専門分野において多くのご協力をいただいています。プロジェクトでは、アートワークショップで描かれた作品をエコバックのデザインとしてプリントし販売しています。
長崎・島原でのマルチステークホルダーパートナーシップの実現
SDGsの推進には一つの事業所が単独で取り組むだけでは十分でなく、多種多様なステークホルダーがお互いの強みを活かし連携するパートナーシップが必要不可欠です。社会福祉法人悠久会では、様々な地域の方々と協働して飲食部門の商品開発及び様々なイベントやプロジェクトを行っています。
食品ロス削減への取り組み SECOND CHANCE VEGETABLE
形や大きさが市場の規格からはずれてしっまった廃棄予定の野菜を集め、加工し消費者に届ける活動に取り組みを行っている2人組「夏の光」さん。社会福祉法人 悠久会もこの取り組みに賛同し一緒に活動させていただいております。
島原半島の環境をきれいに
社会福祉法人悠久会では、この素晴らしい環境をまもるためビーチクリーンをはじめとした地域清掃活動に力をいれております。
清掃活動には、悠久会の利用者の方にご参加いただき、地域と障害者の方達の交流機会になればと考えております。
こうした交流が進むことで、障害福祉への理解の和が広がることを期待しています。
島原半島 BYE BYE Plastic!プロジェクトは社会福祉法人悠久会とNPO法人蒼ノ扉の協働事業です。
悠久会 × アオノトビラ × ゼロウェイスト = バイバイ・プラスチック!
「脱プラスチック」そして「ゴミを出さない生活スタイル」へ一歩踏み出すアクションを。
BYE BYE Plastic! プロジェクトではレジ袋削減に貢献すべく「買い物バック」の製作&販売をはじめました。
障害者の方達と一緒に全てハンドメイドでエコバックを作っています。