YDGsについて ~SDGsを事業戦略に取り入れた悠久会のビジョン~

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最近、ニュースや雑誌等でもSDGsやサスティナブルという言葉を耳にすることが多くなったのではないでしょうか?企業経営等にもSDGsを取り入れなければならない時代となりました。

今回は社会福祉法人がSDGsをビジョンに組み込んだ話。2030年までに社会福祉法人 悠久会がSDGsの推進を目指し掲げるビジョン~YDGs~についてお話させていただきます。

はじめに ~SDGsについて~

sdgsロゴマーク

SDGsとは

SDGsとは2015年に193の国連加盟国により採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2030年までに達成すべき国際目標です。このアジェンダには17の目標と169のターゲットが定められています。

SDGsは経済・社会・環境のバランスの取れた発展を目指すものであり、全世界の共通言語といっても差し支えありません。理念として地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」人間を中心とした人権を重視するものです。

SDGsが生まれた背景

持続可能性を実現させるべき理由として、経済成長を優先とした大量消費大量生産モデルにより世界が成長の限界を迎えつつあることです。要因として地球環境の悪化、資源の枯渇の懸念性、貧困と格差等の社会課題があります。将来世代のニーズを満たすどころか、現在の生活環境すら維持できない持続不能な世界となることが予測されます。

持続可能性を脅かす要因

  • 地球環境の悪化:二酸化炭素排出による地球温暖化、プラスチックゴミによる海洋汚染等
  • 資源の枯渇  :爆発的な人口増加により有限であるエネルギー資源が不足
  • 貧困と格差  :先進国との格差等の国家間格差や国内格差、超富裕層と貧困層の二極化

YDGs ~SDGsを事業戦略に~

社会福祉法人 悠久会がSDGsに取り組む理由

悠久会がSDGsに取り組む理由は4つあります。

  • 障がい福祉分野と共通する理念
  • SDGsは行政や大企業だけが取り組むものではない
  • SDGsに取り組まないことはリスク
  • SDGsはチャンス

1.共通する理念

誰一人取り残さない」というSDGsの理念は障がい福祉の理念である「共生社会の実現」とも高い親和性を有します。SDGsが推進されれば共生社会の実現に近づくことでしょう。

2.SDGsは行政や大企業だけが取り組むものではない

SDGsは国や地方自治体等の行政や大企業あたりが取り組む目標と思われがちですが、中小企業や個人でも取り組むべきものです。エコロジカル・フットプリント(人類の環境への負荷を表す指標)によると2014年時点での人類全体の生活を支えるには地球1.7個分の自然資本が必要であり、2050年には地球3個分が必要だと予測されています。家庭での消費がエコロジカル・フットプリントの7割近くを占めるため、家庭や個人レベルでのライフスタイルの見直しが必要なのです。

3.SDGsに取り組まないことはリスク

SDGsに取り組まないことはリスクとなる時代を迎えています。ESG投資では投資基準として環境・社会・ガバナンスが選定基準となっています。人や環境等に優しくない企業は投資対象になりません。中小企業が大企業と取引する場合には選定基準となる可能性があります。徐々に法制度化され罰則が設けられたり、コンプライアンスの観点からも主流となる考え方となり得ます。特に社会福祉法人は公益性が高い法人ですので、この流れを無視するわけにはいかないでしょう。

4.SDGsはチャンス

ミレニアル世代以後の若い世代はサスティナビリティを志向する傾向にあり、SDGsを推進することで若い世代から支持される企業となります。さらにSDGsは社会課題を起点にしているので、取り組むことで新たなビジネスチャンスにもつながります。またミレニアル世代やZ世代の特徴として金銭的価値だけでなく、非金銭的価値(社会貢献等に価値を見出したり、社会や環境にいい影響を与える企業を志向)も重視しています。

YDGsロゴ

YDGs ~SDGsをビジョンへ統合~

マテリアリティ(重要課題)の特定 ~取り組む課題の焦点化~

SDGsに取り組むべき理由は上記のとおりですが、SDGsは17のゴール169のターゲットと範囲が広いので、全ての目標を漏れなく実施することはできません。悠久会が取り組むことで社会的インパクトが大きいものから取り組むべきです。つまりマテリアリティ(重要課題)を特定し、やるべきことを焦点化する必要があります。SDGsをするべく、その理念を統合した中長期ビジョンの策定に着手しました。

戦略策定にはSDGs Compassを活用しよう

中長期ビジョンの策定には「SDG Compass」を参照しました。この指針は企業戦略にSDGsを組み込むためのツールで、「① SDGs を理解する ②優先課題を決定する ③目標を設定する ④経営へ統合する ⑤報告とコミュニケーションを行う」の5つのステップに沿うことでSDGsが実践できます。

「SDG Compass」PDFダウンロード

SDGsを事業戦略に統合するプロセス

まずはSDGsを理解するために法人で取り組む事業のうちSDGsに該当する項目をあてはめるマッピングを行いました。次に地域課題をリストアップします。自法人の課題のみではなく、社会課題を起点にリストアップします。そのなかから、取り組むことで影響力の大きいマテリアリティ(重要課題)を選定しました。

YDGs

その結果、完成したものがSDGsを推進するために悠久会の目標と設定した「YDGs」です。「あらゆる立場のすべての人々が心通い合う社会」を実現するために3つの柱「優しい心」「ゆとりある心」「喜びの心」と15の目標を設定しました。SDGs特有の用語は理解されにくいため法人内で浸透する言葉に変換し、理解・共感を得られる内容にしました。

YDGs15の目標

YDGsの推進体制

YDGs推進プロジェクト

YDGs推進のため、年齢層や役職・性別を問わないワーキングチームを組織しました。策定したYDGsについて意見を交換し、皆がどのようにとらえているか、実践するためにはどうしたらいいかを話し合いました。

SDGs推進委員会

法人の横断的組織である事業推進委員会にSDGs推進委員会を設置し、法人内での啓発活動等を行っています。

事業計画への位置付けと実践

SDGsの各ゴールを事業計画にも位置付け、地産地消をコンセプトとする「おむすびカフェ 島原むすびす」等のSDGsを取り入れた事業を行っています。

情報発信

定期的に発刊する社内報にてSDGsに関係するトピック、対外向けの広報誌である悠久会だよりにもSDGsの取り組みを掲載し積極的に発信しています。

まとめ

ビジョン策定にあたって「心」に着目した理由は地域福祉の言葉が定着し、物理的分断は解消されつつも、社会的分断などの社会課題が深刻になりつつあるからです。建物の立地や建物種別といったハード論を語るより、地域の住民との心と心の距離が近いこと、すなわち「ハード論よりもハート論」について評価すべき段階なのかもしれません。

自分達の業界内での視点のみで物事を考えず、SDGsを共通言語に多種多様な方々とのパートナーシップを構築し、福祉の垣根を超えた連携を行っていくことで絆やつながりが生まれ、我々が掲げる「あらゆる立場のすべての人々が心通い合う社会」が実現します。

  • 社会的分断を解決するためには「心」が大事。
  • ハード論だけではなくハート論を語ろう。
  • SDGsを共通言語にパートナーシップを構築したい。

本記事では悠久会がSDGsについて取り組む理由について紹介させていただきました。次世代が夢や希望を持てるように、経済・社会・環境のバランスの取れた未来を作るために私達ができることはたくさんあります。少しずつでも取り組んでいきましょう。

悠久会のSDGsへの取り組みは今後も悠久会ブログにてご紹介させていただきますので、よろしくお願いいたします。

悠久会のSDGsの取り組みが「経営協」の会報5月号(2021年度)にて掲載されました。
(※PDF形式での閲覧になります。リンク先では見出しのみ確認できます。)

全国社会福祉法人経営者協議会のホームページはこちらから

Sustainable Debelopment Goals

悠久会は、持続可能な開発目標(SDGs)を推進しています。

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