社会福祉法人のSNS採用戦略|デジタル活用で人材確保を成功させる方法

デジタルとデザインを活用した採用戦略 ~福祉人材の育成と定着~

社会福祉の世界においても人材確保の必要性が叫ばれる中、社会福祉法人 悠久会においてもSNS等を用いたリクルートプロジェクトのノウハウを習得するため「デジタルとデザインを活用した採用戦略~福祉人材の育成と定着~」のテーマで、大分県の社会福祉法人博愛会・釘宮謙悟様を講師に迎えセミナーを開催いたしました。

問題の背景として、人口減少の進行に伴い近年の労働市場において人材の確保が難しくなってきており、入職後の育成や定着にも問題が発生している状況があります。そこで「人材の確保・育成・定着」の3点にフォーカスした、社会福祉法人博愛会様の採用課題の成功事例を紹介いたします。

SNSを使った採用活動

社会福祉業界の人材確保状況はと言えば、過去10年ほど前より厳しい状況が続いています。学生に選んでもらえず「採用できない」、職員が辞めてしまって「定着しない」、人員に余裕がなくなり教育できず「育たない」、こうした中でコストのかかる求人媒体に経営資金をつぎ込むこと余儀なくされてきました。そこで釘宮様が着手されたのがYouTubeショート動画での法人の活動紹介や人材紹介です。その動画の中には職員の日々の職務内容のみならず新規事業の進捗なども含まれ、求職者にとって頻繁かつ手軽に法人情報のチェックが可能になり、面接などでは職員よりも法人の最新情報をチェックしている求職者も現れるようになりました。

結果として、法人にとっては情報発信のためにSNSでより映える環境作りや魅力的に働く職員の姿を作り出すことにドライブがかかり、求職者にとっても法人にとっても双方の視線を意識する好循環が生まれました。

福祉の職場の魅力づくり

SNSを用いた情報発信の際には当然魅力的に映る職場環境が大事になってきます。博愛会様でもカフェのようなオシャレでデザイン性の高い職場環境を作られたり、自由で開放的なコミュニケーションやミーティングができるスペースを設置したりすることで、SNSで映える環境作りとなることはもちろんのことですが、これは同時に職員の働く環境としての快適さをも創造することにつながります。魅力的に働く職員の笑顔も生まれ、求職者にとってもここで働きたくなるイメージを持ってもらいやすくなるという結果につながったということです。

府内のおうどん

またデザイナーの協力のもと、YouTube発信も見すえたデザイン性の高い就労継続支援事業所を作り、オシャレな飲食店やアウトドア施設などの経営やふるさと納税といった取り組みもされており、SNSでのこうした活動紹介は単なる法人のPRにとどまらず、地域の魅力発信やブランディングにもつながっています。またその法人の活動自体がさらに就職希望者を増やすなど、地域・法人・市民の皆様の3者にとって有益な事業構築につながっています。これはまさに近江商人の「三方よし」の経営倫理を、現代的なツールで実践している取り組みといえます。

また法人内部に向けては「やさしさ日本一の社会福祉法人」という理念の浸透を図り、利用者の方々に対してだけでなく職員同士でも思いやりをもって接する、諸々のハラスメントなどは個人に解決を任せるのではなくチームで共有して解決して行く、という姿勢を徹底することで働きやすさを追求し、職員さんが「うちで働いたらどう?」と友達に法人を紹介してくれるようになったり(リファラル採用)、退職者の復職希望(アルムナイ採用)も増加しています。

本当は怖い!現場まかせの就職説明会

そして釘宮様が学生のリクルーティングに関して気をつけていることの1つとして、就職説明会への向き合い方が挙げられます。ただブースを出して職員1名を配置するだけではなく、学生に近い年齢の職員を配置し、イメージの湧きやすい資料を作成し配布したり、教授たちとのつながりを作り学校内で学生にアプローチ(学内企業説明会)を行うなど教育機関に対して積極的に働きかけを行う取り組みをされています。一言で言えば採用側が待ちの姿勢ではなく、学生の身近な場所でのPRに力を入れる攻めの採用活動を行っています。

まとめ ~福祉人材を採用する5つのポイント~

釘宮様の採用に関する取り組みの要点をまとめると

  • 1. ショート動画などの身近なツールで求職者に対して積極的に情報発信する(コンテンツは高度なものでなくても良い)
  • 2. SNSでの情報発信に必要な法人の魅力の発掘や創造を進める(人や組織や設備、先進的な福祉の取り組みなど)
  • 3.職員の働きやすさの追求や職員が人に紹介したくなるような職場づくりを追求する
  • 4.学生や教育機関に対して積極的に法人のPRを行っていく(学生に歩み寄る)
  • 5.採用に関するこれらの取り組みは積み重ねで根気強く続けて行く(効果はすぐには出ない)

人材採用に大事なことは、求職者にとって身近な存在となるコンテンツを発信し続けること、内部的に法人理念を確実に落とし込み職員が生き生きと働ける環境を作ること、学生に受け入れられやすく目につきやすい存在となること、これらに時間をかけて取り組むことが採用成功の秘訣なのです。

悠久会でも魅力的な職場作りを進めています 

今回ご紹介した博愛会様の取り組みは、私たち社会福祉法人悠久会にとっても大変参考になる内容でした。私たちも今回の採用セミナーで学んだことを活かし、職員が働きやすく、やりがいを感じられる職場づくりに積極的に取り組んでまいります。

特に、デジタルを活用した情報発信については、このブログをはじめ、SNSなどで法人の活動を発信しており、求職者の皆様により身近な存在として感じていただけるよう努めています。

私たちと一緒に働きませんか?

「福祉×まちづくり×SDGs」をコンセプトに、私たち悠久会では福祉業界を盛り上げてくれる仲間を募集しています。詳しい採用情報はこちらをご覧ください。

Sustainable Development Goals

悠久会は、持続可能な開発目標(SDGs)を推進しています。

  • ブックマーク

この記事を書いた人

悠久会 広報の人

長崎県の島原半島で福祉事業を展開している社会福祉法人です。SDGsの推進及び「福祉×まちづくり」をビジョンに掲げ、福祉課題と社会課題の同時解決を目指しています。
#社会福祉法人 #sdgs #障害福祉 #保育 #まちづくり
「全ての人々の心通いあう社会の実現」「ウェルビーイングの向上」を目指します。