花ぞのパン工房「春のパンまつり」を開催

はじめに

 3月20日(水)春分の日に、島原市北門町にある就労継続支援B型事業所花ぞのパン工房にて、「春のパンまつり」というイベントを開催しました。福祉と地域を繋ぐ、焼き立てパンの販売イベントです。工房をひらき、目玉商品の山切り食パンに、調理パン・菓子パン、スイーツなどを販売。また、屋外では焚火でパンを焼く体験も実施し、多くの方にご来場いただきました。ここではイベント開催の背景にある想いやイベントの詳細を報告いたします。

福祉と地域を繋ぐ パンまつり

【概要】パンまつりとは?

 花ぞのパン工房は、長崎県島原市の猛島海岸の近く、二本木神社の隣に佇むパン屋さんです。

花ぞのパン工房 外観
花ぞのパン工房 商品

 パンまつりは、地域の方々にも花ぞのパン工房のことを知ってもらいたいという想いで、数年前から企画・運営しているイベントです。パンを販売するだけでなく、活き活き働くスタッフと地域の方々が交わる・繋がる場をつくりたいと考えています。
 花ぞのパン工房は、一般就労が困難な障がいや難病などを抱えている方が就労に必要なスキル等を身につける「就労継続支援B型事業所」と呼ばれる事業所ですが、利用者さんも一スタッフとして、パンの製造・販売に関わっています。そんな利用者さんの姿を地域の方々にも見てもらいたいという想いがあり、取り組みを継続しています。今回は、2年ぶりの開催となりました。

【趣旨】福祉と地域を繋ぐ、就労支援のパン屋さんを目指して

 なぜパン工房を知ってもらいたいのか?その背景として、福祉と地域を繋ぐ、就労支援のパン屋さんでありたいという想いがあります。

 皆さんは福祉施設、就労支援の事業所にどのようなイメージをもっているでしょうか?閉じられた空間、自分には関わりしろがないところ、そんなイメージをもっている方もいるかもしれません。
 花ぞのパン工房は、とても明るく笑いの絶えない職場です。もちろんパン屋なので、毎日朝からドタバタと仕事をしていますが、そのなかでは、様々な困難や課題と向き合いながらも仕事を楽しもうとする雰囲気があります。花ぞのパン工房という場所で、どんなひとたちがどんなことをしているのかを知ることで、福祉施設や障がいのある方へのイメージが少しでも変わるのではないかと思うのです。

 花ぞのパン工房スタッフのインタビュー記事にも、工房の雰囲気やこれまでの経緯などが綴られていますので、あわせてご覧いただければ嬉しいです。

 また、福祉(就労支援の事業所)と地域を繋ぐことは、何より利用者さんにとって意味のあることだと考えています。直接お客さんと接することで、自分たちのつくったパンが売れる喜び、誰かの役に立つ実感が得られ、仕事へのやりがい、今後のステップアップのモチベーションに繋がればと思っています。普段は、なかなか家族や支援員以外のひとと関わることが少ない方も地域の方々と接することで、良い刺激があるかもしれません。コミュニケーションのとり方はそれぞれでも、関わりしろがあることは、色々な可能性を広げることに繋がるのではないでしょうか。

 そんな想いは抱きつつも、現状として、日頃島原市内の保育園の給食や飲食店で使っていただくパン、その他受注をメインとして製造・販売していることもあり、地域のなかでも一部の方々との繋がりは濃い一方で、その輪をうまく広げられていない状態です。そこで、パンまつりの継続を通して、地域と繋がる機会を創出し、島原で愛されるパン屋を目指したいと考えています。こういった活動の積み重ねが、地域共生社会実現への一歩にもなればと思っています。

パンまつりを迎えるまで

 そんな想いから復活、開催に至ったパンまつり。前日までの間には、生産計画をスタッフで協議し、備品を調達したり、生産行程を考えたりしていました。その他、まきまきパンに使う竹をカットしてきれいに洗い、生地を巻きつけるなど、下準備を行いました。

 当日、工場ではたくさんのパンの仕込み、焼き上げ、店舗では調理パンの製造、袋入れなどを行い、パンを陳列して準備完了!屋外では、のぼりを立て、焚火の準備も完了。あとはどきどきお客さんを待つのみです…!

調理パンの製造
調理パンの包装
菓子パンの袋入れ
陳列準備OK!

パンまつりオープン!

 上で説明した目的を踏まえて、パン屋さんとして気軽に立ち寄ってもらえるイベントを行うことで、まずはパンの味を知りファンになってもらう、同時に花ぞのパン工房のひとや雰囲気にも触れていただけるような仕掛けができればと考え、以下の3本立てで行いました。

  • 焼き立てパンの販売
  • パン工房の見学
  • 焚火でパン焼き体験

① 焼き立てパンの販売

 今回の目玉は、焼き立ての山切り食パン。50本限定、お手頃価格500円で販売しました。焼き立ての食パンは、特にふわふわもちもち。食パンの良い香りが工房中に漂いました。
 その他、定番のあんぱんやクリームパンのほか、何が当たるかお楽しみ!の三食パン(ミニ食パン)に春限定のさくらあんぱん、エビカツバーガーやカツサンドなどの沢山のパンが並びました。マフィンやクッキーなどの焼き菓子、同系列事業所の山の上のカフェGardenの手作りケーキも販売しました。

【販売商品】

  • 食パン
    山切り食パン・角食パン
  • 調理パン
    カツサンド・エビカツバーガー・ベーコンエッグ・雲仙ハムたまご・てりやきチキン
  • 菓子パン
    ミニ食パン(チーズ・三食パン)・バターロール・クロワッサン・あんぱん・クリームパン・メロンパン・いもあんぱん・くりあんぱん・さくらあんぱん
  • 菓子
    クッキー(プレーン/チョコ)・マフィン
    山の上のカフェGarden手作りケーキ(ベイクドチーズ/バスクチーズ/ガトーショコラ)
今回の目玉商品、山切り食パン
みんな大好きメロンパン
春限定!さくらあんぱん
花ぞので一番人気のエビカツバーガー

② パン工房の見学

 混雑によりご案内できなかったお客さまもいらっしゃいましたが、本イベントでは、工房と店舗を公開し、普段は見られないパン屋の裏側にも触れていただきました。
 工場では、いつもより多い仕込みの量にも負けず…!いつものように声を掛け合いながら仕込みました。生地のミキサー、分割・丸め、発酵、仕上げが終わると、大きなパン窯で焼いていきます。焼きあがったら型から出して冷まし、店舗へ運び出す。その行程を何度も繰り返してパンをお届けしました。

パンの分割・丸め
オーブンで膨らむ山切り食パン
山切り食パンの焼き出し

③ 焚火でパン焼き体験

 焚火イベントやBBQで人気の花ぞの特製まきまきパン。竹の棒に巻かれたパン生地を焚火で焼いて食べていただきました。強風の中ではありましたが、子どもから大人まで大人気。自分でじわじわと焼いていく楽しみを感じてもらうことができました。
 そのままでももちろん美味しいですが、ありえ未来ワークセンターの無添加ジャムもご用意し、試食も兼ねてトッピングとして味わっていただきました。

 当日は、たくさんのお客様にご来店いただきました。狭い店内での混雑でご迷惑をおかけしましたが、お待ちいただきありがとうございました。

まとめ ~島原で愛されるパン屋さんを目指して~

 元々花ぞのパン工房を知っていた方も、はじめて訪ねて来てくださった方も、沢山の方にご来場いただき、本当にありがとうございました。工場から店舗へとパンが送り出され、パンの良い香りが漂う店内が、地域の方々で賑わう。そんな光景から、改めて地域の方々にパンをお届けする喜びを実感する時間となりました。
 パンまつりの運営としては、パンの生産・ラインナップや、店舗レイアウト、お客様のレジ対応など、各所において課題もありますので、改善していきます。
 今後も、地域との繋がりを大切に、島原で愛されるパン屋さんを目指して、焼き立てパンの提供機会はもちろんのこと、地域の方々がゆるやかに繋がり集うことができるような場をつくっていければと思っています。引き続き、花ぞのパン工房をよろしくお願いいたします!

花ぞのパン工房の営業について

【住所】長崎県島原市北門町126
【電話】0957-64-3230
 ご予約・取り置き・配達などのご相談承ります!
【営業時間】10時~売り切れ次第終了
【定休日】土日祝(イベントに出店することもあります)
【SNS】下のアイコンよりぜひチェックを♪

Sustainable Development Goals

悠久会は、持続可能な開発目標(SDGs)を推進しています。

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この記事を書いた人

悠久会 広報の人

長崎県の島原半島で福祉事業を展開している社会福祉法人です。SDGsの推進及び「福祉×まちづくり」をビジョンに掲げ、福祉課題と社会課題の同時解決を目指しています。
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「全ての人々の心通いあう社会の実現」「ウェルビーイングの向上」を目指します。