持続可能な社会を目指すうえでSDGsの目標を守っていくことは、法人としても重要です。
SDGsには17個の目標が設けられています。そのうちの一つであるSDGs目標15「陸の豊かさを守ろう」は、豊かな自然環境を誇る島原において、特に取り組むべき課題です。ここでは、SDGs目標15に取り組むべき理由と、悠久会が実践する島原におけるSDGs目標15の取り組み例を紹介します。
SDGs目標15「陸の豊かさを守ろう」とは?
世界の約31%は森林が占めており、多様な生物が生息しています。しかし、南アメリカやアフリカなどを中心に、生物の住処となる森林が毎年330万ヘクタールも減少しています。生態系を守っていくためには、森を守り、再生していかなければなりません。
日本は国土の7割を森林が占めています。その中でも農業や林業が行われてきた里山は、人々と多様な生物が共存する場所です。しかし、過疎化や高齢化によって、荒れていく里山が増えています。また、プラスチックなどのゴミが山中に放置され、動物に悪影響を与えることもあります。多様な生物が生きる環境を守るためにも、SDGs目標15は重要です。
SDGs目標15を構成する12個のターゲット
陸の生態系を保護するために、持続可能な方法で森林の管理し、砂漠化を防ぎ、森の再生に繋げるため、下記の12個のターゲットが示されています。
2020年までに、森林、湿地、山地、乾燥地などの陸上生態系および内陸淡水地域の生態系を保護し、回復させ、持続可能な利用を目指す。
2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な管理を推進し、森林減少を防ぎ、損なわれた森林を回復し、世界全体で植林を増やす。
2030年までに砂漠化に対応し、砂漠化、干ばつ、洪水の影響を受けた土地と土壌を回復させる。
2030年までに、山地の生態系を保護し、多様な生物が生存できるようにする。
2020年までに、自然の生息地の劣化を抑制し、生物多様性を損なわないようにし、絶滅が危惧される生物を保護し、絶滅を防ぐための緊急対策をとる。
国際的に定められた基準に従い、遺伝資源の利用から得られる利益を公正かつ公平に分配する。
動植物の密猟や法律に反する取引をなくすための緊急対策をとる。
2020年までに、外来種の侵入を防ぎ、外来種が陸や海の生態系に与える影響を減少させるための対策を開始する。
2020年までに、生態系や生物多様性の保護の重要性を国や地方の計画や開発プロセス、貧困撲滅の取り組みや資金配分に組み入れる。
生物多様性や生態系の保護と持続可能な利用を支援するために、資金を集め、使用可能な資金を増やす。
森林の保護や再植林など、持続可能な森林管理の推進のために資金を集め、発展途上国が持続可能な森林管理をする際の資金源にする。
持続可能な収入を得るために地域コミュニティの能力を高めるなどの取り組みを進め、保護されるべき動植物の密猟や違法な野生生物取引を防ぐため、国際支援を強化する。
悠久会がSDGs目標15に取り組む理由
悠久会では、「全ての人々の心が通い合う心豊かな社会の実現」を目指しています。実現するためには、地域社会が豊かである必要があります。つまり、島原の自然環境と地域経済の豊かさが両立していなければなりません。
自然環境を守るため、島原むすびすでは脱プラスチックを目指し、紙製のパッケージを多く取り入れています。他にも、利用者の方々と定期的にビーチクリーンや、施設周辺のゴミ回収に取り組んでいます。
また、地元の事業者の経済力を支えるために取り組んでいるのが、地産地消と地元企業との連携です。島原むすびすでは、具材のみならず海苔や米、塩なども島原半島産にこだわっています。地元の企業や高校、地域おこし協力隊などと協働し、コラボメニューも開発しています。地元の食材を使用することで、地元の事業者の雇用を守るとともに、農地などの里山の存続にも繋げています。
悠久会のSDGs目標15の取り組み例
悠久会では、SDGsを事業戦略に取り入れ、利用者の方々をはじめ、地域社会にとってより良い福祉サービスを提供できる体制の実現を目指しています。実際に、悠久会がSDGs目標15の達成のために取り組んでいることを紹介します。
地産地消コーディネーター派遣事業
悠久会では、法人内での県産食材の使用率向上を目指し、昨年度の地産地消コーディネーター派遣事業を利用しました。活動の一環として企画したのが、利用者の施設での給食において長崎県産100%メニューの提供です。大きな反響を集めたほか、利用者の方々からも好評で、現在も定期的にメニューの提供を続けています。使用している野菜は、地元の直売所や、利用者の方が通う農家さんより直接仕入れた物です。市場には出荷できない規格外品も活用しているので、食品ロスの削減にも繋がっています。
SDGsアートワークショップ
悠久会では、以前エコ・パーク論所原で開催で開催されたイベント「雲仙天国」にて、ゴミを使ったアート作品づくりにも取り組みました。カラフルなペットボトルキャップを立体的に組み合わせて自由に形をつくり、木版の上にくっつけてツリーをつくるアートワークショップを開催し、悠久会の利用者から子どもや大人まで参加いただきました。
また、悠久会とNPO法人蒼ノ扉の協働事業で、プラスチックゴミ削減を目指した「BYE BYE Plastic!プロジェクト」では、使い捨てレジ袋削減の啓発活動の一つとしてプロジェクト名のロゴマークを入れた買い物バッグづくりを利用者の方々と取り組みました。買い物バッグは販売も行い、ビニールゴミの削減に繋げました。
今後も悠久会では、SDGsを意識したアートワークショップに取り組んでいきます。
まとめ
島原の豊かな自然環境を守るために悠久会にできること
悠久会は、自然環境の保護と地元経済の活性化を両立させるべく、さまざまな取り組みを行っています。例えば、地産地消コーディネーター派遣事業では、地元産食材を活用したメニューの提供や食品ロスの削減に取り組んでいます。また、SDGsアートワークショップを通じて、ゴミを再利用したアート制作を行い、環境意識を高めています。
これらの取り組みを通じて、悠久会は地域社会に貢献し、SDGs目標15の達成に向けた一翼を担っています。島原の豊かな自然環境を守りながら、地元経済の発展を支えることで、持続可能な社会の実現に向けて貢献していきます。