大人になって、はじめて悩む方も多い…
様々な障害についてご紹介するコーナーです。
支援を必要とする人に適切な配慮が行えるよう理解を深めていきましょう。
発達障害の1つに位置づけられる。現在の医療現場では、ASD(自閉症スペクトラム)として用いられており、アスペルガー症候群(AS)は過去の診断名となっています。昔は「知的障害を伴わない自閉症」として名付けられていた。知的発達や言語発達の遅れがないと言われている為、大人になるまでわからないという方も。
幼少期時代は学校等においてある程度のルーティンがこなせたり、周囲の大人のサポートがあったりするので問題になることはないが、大人になると色んな場面においてコミュニケーションを求められる機会が増え、場の空気を読んだり、他人の発言の意味(表と裏)を推測したり、第三者と協力して行うような事も出てきます。
しかしながら、アスペルガー症候群の方は苦手としているところなので、元々持っていた症状が問題として生じる機会が増えることになりますので、大人になってはじめて対人関係で悩み、病院受診をして診断を受ける方もいらっしゃいます。
どんな障害特性がありますか?
社会的に適切に振る舞うことが難しい…
- 丁寧に接しているつもりでも、無礼・失礼だと言われる
- 綺麗な身なりしているつもりでも、清潔感がないと言われる
- 相手の嘘や悪意がわからず、騙される
コミュニケーションを円滑にすることが難しい…
- 伝えたいことはわかっているが、言葉でまとめるのが苦手
- 人の気持ちを汲むことが苦手なためストレートな物言いになりがち
- オブラートに包んで話を聞いても、なかなかその意図を汲んで理解する事が出来ない
「こだわり」が強く柔軟に想像・思考することが難しい…
- 興味の範囲が限られている、他人の話に関心を抱かない
- 同じやり方を何度も繰り返す
- 悪気はないが、事実を言ってしまい、相手との関係性が悪くなる
感覚過敏・感覚鈍麻
- 大勢の人がざわついている場所等で、相手との会話が聞き取りにくい
- 偏食がひどく、においの強い物や特定の食感の物を食べられない
- 季節や気温にあった衣服の調節等がうまく出来ない
同じ症候群でも人それぞれで異なるので、絶対にこの症状があるということではありません。得意なこと、苦手なことをしっかりと理解することが大切です。
Staff interview
アスペルガー症候群の方への配慮はどうすればいい?
コミュニケーションが苦手な方が多いです。
伝えるときは、なるべく具体的にイメージしやすいように図や文字を活用しましょう!
必要以上に情報を伝えず最低限に。
口調のやりとりだけでなくメモに残す。
ダラダラと伝えるよりも箇条書きにする。
一度でわかるとは思わず何度も伝える。
スモールステップで伝える。
その人の得意なこと、苦手なことも含め理解しましょう
過去にコミュニケーションで失敗した経験があるなどして心に傷を負っておられる方もおられますので、心のサポートケアも必要です。
純粋なアスペルガー症候群というケースはほとんどなく、多くの場合はADHD(注意欠陥多動性障害)やLD(学習障害)などの障害・要素が重なっていることが多いと言われています。アスペルガー症候群の方は、自分を客観視することが苦手で、自分がどのように周囲から見られているのか一人ではわからないことが多いと思います。
もし近くにアスペルガー症候群に似た症状で悩まれている方がいたら、その方とのコミュニケーションをとる際には配慮をしてあげてください。
伝える情報は最低限にし、簡単にしてあげたり、文字や図を用いて丁寧に説明してあげることで伝わりやすくなります。
誰でも得意・不得意はありますよね?
なによりも本人の努力や真面目さを評価してあげることで円滑でよい関係が築けると思います。
「共生社会の実現」のために、障害について正しく理解しよう。
人それぞれに合わせた本当に必要な支援を。